母乳育児について

メディカルハーブコーディネーター・食生活アドバイザー服部店長のなるほど!コラム:母乳編1

母乳育児について:目次

ママのおっぱい

1. 母乳について
2. 母乳を出すためのポイント
3. 食生活指針
4. 食べ物の消化と吸収
5. 水分補給
6. 睡眠・その他 ~続・母乳育児につづく

乳質を良くする食べ物と悪くしやすい食べ物
母乳育児を成功させるための10ヶ条
地震や水害にあった母乳育児中のお母さんへ

新米ママのおっぱい入門(店長服部の個人サイトです)


服部店長のなるほど!コラム

a writer ハーブガーデンショップ®店長:服部紗希
メディカルハーブコーディネーター・食生活アドバイザー・国際薬膳食育師・薬膳アドバイザー

1.母乳について

母乳はママの血液から

おっぱい(乳房)の中には乳腺があります。乳腺には乳腺房という袋がたくさんあり、その周りを血管が取り囲んでいます。この血管に流れている血液が母乳ホルモンの働きで母乳に変化し、乳腺房が収縮し母乳が乳管に押し出されます。血液から作られる母乳ですが色は透明がかった白色です。血液の成分にはいろいろ有りますが使われるのはタンパク質などの栄養素や白血球などです。血液の赤い色の素である赤血球は使わないのでおっぱいは白いのです。

使われるホルモン

母乳が作られ出てくるまでに特に重要な働きをするホルモンはプロラクチンオキシトシン。これらは母乳ホルモンと呼ばれています。プロラクチンは乳腺房が母乳を作るときに使われ、オキシトシンは乳腺房を取り囲む筋肉を収縮させ母乳を乳管に送り出せるよう作用します。このホルモンの分泌を促すのが、赤ちゃんがママの乳首を吸う刺激です。母乳が少ないなと思ったらミルクを足すのではなく、1日何回も乳首を吸わせるのが大切です。また母乳ホルモンの分泌はストレスに大きく影響されます。ママは心身共にリラックスしてください。

なぜ母乳が出ないの?おっぱい工場と職人さん、材料の関係

妊娠中に蓄えた脂肪は子宮を守るためでもありますが古代から受け継がれた機能として、体力が低下している産褥期に十分に食べられなくても母乳が出せるようにエネルギーを蓄えているのです。ですがママの代謝が悪ければそれをうまく活用できずに母乳量が伸び悩むと言うことも考えられるのです。代謝にはミネラルやビタミンが不可欠です。特に鉄分が不足すると血中のヘモグロビンが減り全身の細胞が酸素不足になるため、だるさ・めまい・冷える・疲れやすいなど体の不調を招き母乳の不足に繋がります。加工食品に頼りがちな人は、ミネラルのバランスを崩しやすいので注意しなければなりません。

お電話やメールなどで母乳育児の相談を受けた際に、私が例えて言うのは、『おっぱいは工場』、『血液が材料』、 『母乳分泌ホルモンは職人さん』。 工場で母乳を製造するときに、製造開始の合図を出すのが赤ちゃんの授乳による刺激が乳首に伝わったとき。 職人さんのホルモンが一斉に働き出して材料の血液から母乳を作り出すのです。

母乳が出ない原因はこの工場の不具合(冷え性、寒さなどの外気温、乳腺の詰まりや細さ、新陳代謝の低下)、 材料不足(貧血、血液の状態がドロドロ、水分が足りない、食生活の乱れ)、 職人さん不足(夕方など疲れが溜まってきたときにはホルモンの出が悪くなります。生理が始まっているときも生理期間中は母乳分泌ホルモンの調子が一時低下します。)

自分がどのタイプの母乳不足なのか、1つが原因のこともあれば、複合的なモノなのかで、対処方法が変わると言うことです。

個人個人母乳育児状況などが違う為に 母乳不足解消ブレンド ママのお願いブレンド® と母乳育児のブレンドは2種類用意しています。

職人さん対策には チェストベリ ーをオススメしています。

2.母乳を出すためのポイント


母乳には和食

野菜

ママの食事は母乳の量・味に影響します。おすすめは脂肪分と糖分を控えた和食。洋食に多い脂肪分と糖分は母乳の質を悪くし乳腺炎を引き起こす原因となります。良質なタンパク質は白身魚・貝類から積極的に摂りましょう。肉の場合は脂肪分の多い部位を避けるなどの工夫を。そしてビタミン・ミネラル・食物繊維豊富な旬の野菜(葉野菜や根野菜)を食べましょう。

温かい飲み物は血行をよくするので母乳製造に効果的です。

おみそ汁や、お吸い物に沢山の野菜を入れて具だくさんにすると栄養満点です。朝はパン食よりご飯食の方が良い食事になります。お昼にうどんだけといった一品のみのメニューや、昨日の夕ご飯の残り物等で軽くすませていますと、夕方以降の母乳不足につながります。妊娠中は胎盤から栄養補給していた赤ちゃん。授乳中は母乳で大きくなります。母乳は赤ちゃんのご飯なのです。美味しい母乳を作ってあげましょう。

3.食生活指針

母乳育児は子育ての第一歩。おっぱいが終わっても、子供を育てていく為には毎日の食事が基本です。妊娠・出産を機会に是非食生活を考え直してみてください。

農林水産省の食生活指針をご覧下さい。
食事とはどういう事が再認識していただけると思います。

<食生活指針の内容>

食事を楽しみましょう。
・心とからだにおいしい食事を、味わって食べましょう。
・毎日の食事で、健康寿命をのばしましょう。
・家族の団らんや人との交流を大切に、また、食事づくりに参加しましょう。

1日の食事のリズムから、健やかな生活リズムを。
・朝食で、いきいきした1日を始めましょう。
・夜食や間食はとりすぎないようにしましょう。
・飲酒はほどほどにしましょう。

主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。
・多様な食品を組み合わせましょう。
・調理方法が偏らないようにしましょう。
・手作りと外食や加工食品・調理食品を上手に組み合わせましょう。

ごはんなどの穀類をしっかりと。
・穀類を毎食とって、糖質からのエネルギー摂取を適正に保ちましょう。
・日本の気候・風土に適している米などの穀類を利用しましょう。

野菜・果物、牛乳・乳製品、豆類、魚なども組み合わせて。
・たっぷり野菜と毎日の果物で、ビタミン、ミネラル、食物繊維をとりましょう。
・牛乳・乳製品、緑黄色野菜、豆類、小魚などで、カルシウムを十分にとりましょう。

食塩や脂肪は控えめに。
・塩辛い食品を控えめに、食塩は1日10g未満にしましょう。
・脂肪のとりすぎをやめ、動物、植物、魚由来の脂肪をバランスよくとりましょう。
・栄養成分表示を見て、食品や外食を選ぶ習慣を身につけましょう。

適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量を。
・太ってきたかなと感じたら、体重を量りましょう。
・普段から意識して身体を動かすようにしましょう。
・美しさは健康から。無理な減量はやめましょう。
・しっかりかんで、ゆっくり食べましょう。

食文化や地域の産物を活かし、ときには新しい料理も。
・地域の産物や旬の素材を使うとともに、行事食を取り入れながら、
自然の恵みや四季の変化を楽しみましょう。
・食文化を大切にして、日々の食生活に活かしましょう。
・食材に関する知識や料理技術を身につけましょう。
・ときには新しい料理を作ってみましょう。

調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく。
・買いすぎ、作りすぎに注意して、食べ残しのない適量を心がけましょう。
・賞味期限や消費期限を考えて利用しましょう。
・定期的に冷蔵庫の中身や家庭内の食材を点検し、献立を工夫して食べましょう。

自分の食生活を見直してみましょう。
・自分の健康目標をつくり、食生活を点検する習慣を持ちましょう。
・家族や仲間と、食生活を考えたり、話し合ったりしてみましょう。
・学校や家庭で食生活の正しい理解や望ましい習慣を身につけましょう。
・子どものころから、食生活を大切にしましょう。

4.食べ物の消化と吸収

消化とは食べ物を消化器官内で吸収されやすいように分解することを言います。
消化された栄養素が血液中に取り込まれるまでの過程を吸収と言います。

たんぱく質・脂質・炭水化物などほとんどの栄養素は小腸で吸収されます。
たんぱく質はアミノ酸に、糖質はブドウ糖に、脂質は脂肪酸などに分解されて吸収が始まります。
アミノ酸やブドウ糖は血管へ入って肝臓へ、脂肪酸やグリセリンはリンパ管から静脈を通って全身へ送られます。

食べ物が胃で消化され腸で吸収し血液中に入るまでの時間は食品や食べた量などによって違います。水分などは当然早く3時間程度で吸収されますし時間の掛かる物は6時間以上です。ただアルコール類は口や胃の粘膜からもすぐ吸収されます。

この仕組みは当然赤ちゃんにも適用されます。母乳は水分ですから3時間経てば消化吸収が終わるのではお腹が空きます。
離乳食を開始している時期なら6時間消化に時間が掛かるような食べ物は負担になりますから重湯から初めてある程度の堅さのある食べ物を食べられるように期間を掛けて慎重に進めましょう。

この消化吸収工程をママの母乳の製造に当てはめて考えるとお昼ご飯を12時に食べたら、その分の栄養が含まれてる母乳は3時頃から夕方までには出てきます。逆に言えば昼をしっかり食べないと3時頃から夕方までの栄養素が不足し体力・気力が落ちます。そうなりますと母乳の出が悪くなったりします。食事は単にエネルギーの摂取ではなくビタミン・ミネラルを補給する事も考えて食べなければいけません。

5.水分補給

母乳の成分は水分88.2% 赤ちゃんが1回の授乳で100 ccの母乳を飲んでいると仮定して、1日8回なら800 cc。ママは妊娠する前に飲んでいた水分量より、この分だけより多く摂取する必要があります。だからといって一気に水分補給しても、ママのおしっこの量が増えるだけです。授乳した後に水分補給をするといった感じでこまめに摂取する事が大切です。母乳には水分・タンパク質・脂肪・炭水化物、他にミネラル・ビタミン類も含まれていますが、ほとんどが水分です。この水分はママが摂取した水分が移行しています。ママは水分の質を考えて摂取しましょう。

コーヒー等カフェインを含む飲み物を飲むととると少量ですが母乳に含まれ、赤ちゃんの身体に入ります。赤ちゃんは消化器系が未熟でカフェインの影響がより強く出ます。カフェインは興奮剤です。イライラして情緒不安定になったり、夜泣きをする事もあります。またカフェインは血管の収縮作用がありますので母乳の分泌を悪くします。
紅茶にもカフェインは含まれコーヒーよりも作用は強いと言われています。またコーヒーや紅茶は鉄分の吸収を妨げます。ミルクや砂糖も入れて飲みますが、これらも母乳の質に良くありません。出来る限り飲まない事が一番ですが、どうしても飲みたい場合は授乳後のタイミングで飲むなど影響の出にくい工夫をしましょう。

ハーブティーにはミネラルが多く含まれるのでお勧めです。もちろんノンカフェイン、ノンカロリーです。鉄分やミネラルを補えるハーブもあります。(ハーブティーには母乳の分泌を減少させる種類もありますので、母乳育児に理解のある当店で是非お買いあげください。)

6.睡眠・その他

母乳を出すためにはよく眠り疲れを取ることが必要です。主婦業はすこし手を抜いてゆっくり休む、ゆとりの時間を持つのも良いですね。母乳ホルモンのプラクチン分泌量は睡眠中に増加します。赤ちゃんと一緒に少しずつでもお昼寝をどうぞ。

血行を良くする事が母乳製造の手助けとなります。おふろでゆっくり暖まる、蒸しタオルで乳房全体を包み込むのも効果的です。外部から暖めることも重要ですが体内を冷やさないことも大切。夏に旬を迎える野菜は体を冷やす作用が有ります。

続・母乳育児についてへ続きます


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